The Story of OKADAMA

5月末の週末、丘珠に久々の遠征をしてきました。
天気はあいにくの雨、強風、おまけにクソ寒い。
しかし、初めて目にしたHACのSaabや、時にほのぼのとした風景を見せてくれるダッシュ8は、今でも私の脳裏に忘れがたく残っています。
どうぞごゆっくりお楽しみください。


5月29日土曜日。
時間的に余裕はあったのですが、やはりこれから丘珠だと思うと普段は寝坊しまくりの私が6時半に楽々起床。
ホテルでシャワーを浴び、簡単に朝食を食べて気分一新。
いざ、丘珠へ!!!

さっぽろ駅から地下鉄東豊(とうほう)線に乗り、終点の栄町まで向かいました。
ここは丘珠までもっとも近い駅です。
栄町駅で降り、地上に上るとやっぱり雨。
それに加えて強風、そして寒い、寒い、寒い。
札幌近辺にお住まいの方はお分かりになると思いますが、この日はとにかく寒かった。
半袖Tシャツの上に薄い長袖シャツを羽織っていた私。
丘珠のターミナルについて一番最初にした事は、トイレに向かってトレーナーに着替える事でした。


1番スポットに駐機していたのはJA801K「つばき」。
「つばき」は水色の尾翼に深紅の椿の花が特徴的で、普段は羽田-大島線を飛んでいる機体だけに、撮影できたのはラッキー。

2番スポットにはJA802K「すずらん」が駐機。
以前に撮った事はあるものの、雨の中だけに青とすずらんの花が栄えてました。
(写真は航空局事務所横ゲートから撮影)

3番スポットにはJA805K「はまなす」が駐機していて、水溜りにうっすら写ったはまなすの花が実に印象的でした。




2つのターボプロップエンジンが一気に唸りを上げ、ANA4841便が定刻通り稚内へ向けて出発しました。
なにせこの天気なので、「函館がダメなら丘珠に引返しか千歳にダイバート」「釧路がダメなら女満別にダイバート」など、条件つきのフライトが多かったです。
とはいうものの結局昼にはこの雨も上がったので、どの便も支障なくフライト出来たようです。

380mm 1/400 F3.5 WBAUTO ISO50 Av優先 コントラスト調整



後を追うようにしてANA4831便・根室中標津行きがテイクオフ。
この日のランウェイは離陸・着陸ともに14側を使用しました。

380mm 1/250 F3.5 WBAUTO ISO50 Av優先


これで次は8時55分に函館から到着するHAC2870便を待つのみ。
ちょっとした短い時間に、画像を一つずつ確認し(これができるからデジタルはいい!)、暖房の効いた出発ロビーでのんびりしていました。

出発ロビーは小さいものの(羽田や成田に慣れているからそう思ってしまうだけ?)、2つの売店、テレビ、そしてカフェ「アカシア」と、なかなか充実しています。
この日は土曜日ではあるものの、出張などで道内へ向かうサラリーマンのお父さん方が忙しそうに書類をチェックしたり、しばしコーヒーを飲んでくつろいだり、思い思いに過ごしていました。
「出 発」と書かれたフラップボードを見てみると、そこには「ANK エアーニッポン」の文字はなければ「A-net エアーニッポンエットワーク」の文字もない。
ただ、羽田と同じ「ANA」のロゴだけ。
というのも、4月1日からANA,ANK,A-NET全便がANA便になったからなのです。
「HAC」ロゴがむしろ新鮮なくらい。


丘珠はなにげにトラフィックが多いのです。南紀白浜や青森のように1日何便ではなく、出発便だけで18はあります。
さらに使用事業(ジェネアビ)のセスナやヘリも飛び立つので、見ていて飽きるという事はありません。
もちろんその大半が丘珠にまた戻ってくるのですが、意外と長〜い間シップが到着するのを待つ、という経験はしませんでした。

おっと、そろそろ時間だ。3階の展望デッキに上がってHACのランディングを見なくては・・・。
と、まさにランウェイ上には「太陽のアーク」の新塗装に塗り替えられたHACのSaab340がいました。




丘珠に到着したHAC2870便。
最後に降機したこの家族が見せてくれたのは、空の旅を終え、ホッとする笑顔。
ファインダーの中にも、その笑顔はこぼれてきました。
娘さんを抱きかかえ、「よかったねー、着いたよ〜。」喜ぶ父母。
そしてそんな風景を撮る私。

丘珠、そしてHACが演出してくれた、ささやかな到着のひととき。

188mm 1/320 F3.5 WBAUTO ISO50 Av優先



丘珠に限らずふだん空港で必ず見ることが出来るシーンではありますが、右手は親指を立て、左手で手を振って飛行機を見送るシーンは羽田じゃ見られません。
一瞬しか見せてくれないメカニックの「お手振り」シーン、それはシップが彼らの手によって完璧に整備された証なのです。
そして彼らにとっては、この瞬間が一番の、最高の時間なのです。

380mm 1/320 F3.5 WBAUTO ISO50 Av優先



この日一番のショットがこれ!
No.2スポットから出発するSaabを、真後ろから思いっきり切り取ってみたものです。
Saabという小型機にも関わらず、こんなに迫力を伝える事が出来ました♪

380mm 1/640 F3.5 WBAUTO ISO50 Av優先 コントラスト調整



丘珠空港内唯一のレストラン「アカシア」での風景。
暖かいコーヒーを片手に、のんびり語り合っている夫婦、そして目の先にはしっかりとDash8のひまわりが主張しています。
丘珠だから撮れた写真。
よくある光景ではあっても、そこにはほのぼのとした雰囲気があります。
そしてその雰囲気を、ファインダーを通じて写真というカタチに残している私。

236mm 1/100 F3.5 WBAUTO ISO50 Av優先




次は展望デッキを離れ、ターミナルから歩きで最も近い2つ目のポイント「航空局事務所横ゲート」へ行きました。
ここはNo.2タキシーウェイを直進する機をまさに正面で見ることが出来るポイントです。
本当に真正面に取れるゲートは右手にあったのですが、そこは「はまなす」が邪魔して撮れなかったのでわずかに斜めのショットとなりました。
でもこれだけでも十二分にSaabの迫力が伝わってくるかと思います。
シップはJA03HC。迫力あるショットも、スポッターショットも、このゲートならお任せ!といった感じですね。

380mm 1/400 F3.5 WBAUTO ISO50 Av優先

ところで、丘珠は市内にあるという土地柄から、旅客機の合間を縫って小さなジェネアビエアライン(使用事業航空会社)の小型機が飛び立つ事もありますし、もともと丘珠は陸上自衛隊の駐屯地ですから、ヘリなども見ることが出来ます。航空管制も陸自が行なっているそうです。
自衛隊(=防衛庁)が管理している日本の空港は丘珠の他にも小松、米子、徳島があり、陸自と共用しているのは丘珠だけです。


だいぶ時間がたち、雨も上がり、雲も徐々に切れてきました。
コミュニティドーム「つどーむ」の裏は子供が遊べるような小高い丘になっていて、そこからR/W14からの離陸機、アプローチ機を狙えます。
遥か遠くには空港エリアが見えるので、シップの動きも一目瞭然です。



いいタイミングのところで、JA803K「すずらん」がタキシングを開始しました。
よっしゃ、どっからでもかかって来い!!!

380mm 1/500 F3.5 WBAUTO ISO50 Av優先



380mm 1/500 F3.5 WBAUTO ISO50 Av優先



丘珠の象徴とも言える2本のポプラの木。
さぁすずらんよ、もう君に思い残す事はない。安心して釧路へ飛ぶがいい!

380mm 1/640 F3.5 WBAUTO ISO50 Av優先


随分長々と書いてしまいましたが、丘珠撮影レポート「The Story of OKADAMA」、いかがだったでしょうか。
実は撮影中に展望デッキから強風にあおられて傘をエプロンに飛ばしてしまったり(のちにグランドスタッフの方に必死でお礼を言って謝りました・・・)、寒くて全身鳥肌が立ったり、本当に大変な一日でしたが、それと同時に本当に楽しい一日でもありました。
皆様も、天候はどうであっても一度は丘珠を訪れてみてください。
きっとよりほのぼのとした写真や、より迫力満点の羽田や成田では撮れない写真が撮れるはずです。

さて、そろそろ腹が減ってきた。
ここはつどーむ向かいのラーメン「麺蔵」さんへ行き、赤味噌ラーメン630円を食べよう。
ここのラーメン屋は安く、味に定評があるし。



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